『まちのよろず屋』がなくても大丈夫。
そう言えるまちを目指して
経緯
2014年7月NPO法人なごみ設立。
西宮市の介護予防・日常生活支援総合モデル事業を受託し、
常設型の地域交流拠点『まちcafeなごみ』をオープン。
高齢者を中心に様々な世代の住民が集い・つながる場を運営する。
設立当初より、地域で暮らす住民の「生活支援」の必要性を実感していたが、
①幅広い世代に対応できる支援活動が必要である事
②地域で「有償ボランティア」の必要性を共有する必要があった事
③地縁団体・地区ボランティアセンター・地域包括支援センターとの連携体制が必要不可欠であった事などの理由から丁寧なニーズ調査と検討・協議を進めてきた。
2018年西宮市社会福祉協議会の協力をいただき、同地域内で「鳴尾東地域の生活支援を考える会議」を発足。(地区社協・ボランティアセンター・コミュニティ協議会・市社協・生活支援コーディネーター・NPO法人なごみ)
1年間かけて地域の生活支援がこのままでいのか?これからの体制について協議・検討を重ね、最終的に『地区ボランティアセンターの機能を見直す事(ボランティアの再登録・センター開設日にミニサロン実施・研修会の検討など)』と『地区ボランティアセンターと連携する形で、新たに有償の生活支援の仕組みをNPO法人なごみが中心に立ち上げる』ことが決定する。
2019年独立行政法人福祉医療機構社会福祉振興助成事業に採択される。
本格的に立ち上げ・実施が決定し、4月~7月までの準備期間を経て、令和元年7月24日より活動開始となった。
想い
『まちのよろず屋』がなくてもいいまちを目指す。
立ち上げる今こそ、こうした想いを持っている。
3世代で暮らし、近所づきあいが当たり前の時代は、こうした支えあい活動が当たり前だったのかもしれません。
子や孫がおばあちゃんのお手伝いをし、逆に子守りや子育てを地域で行う自然な見守りと支え合い活動。
社会の変化により、世帯の単身化や共働き世帯の増加、近所づきあいの希薄化などによって、すぐ近所にどんな方が住んでいるのか?もわからない住民も多く、何か少し困ったことがあったときでも頼むこともせずに我慢したり、便利になった公的なサービスを利用することが当たり前になっている。
「便利さ」と引き換えに、何かなくなっていくものも多く、それでも住民の暮らしは続いていくことから、本来は必要でなかった「有償での支え合い活動(まちのよろず屋)」が必要な時代になった。住民同士のつながりをもう一度つくるツールが”ワンコイン”なのである。
少し寂しい気もするが、決して「諦めてしまった」わけでなく、現状を受け止め、
活動する住民とまちが「こんな活動なくても大丈夫」と言えるまちをもう一度目指して、この『まちのよろず屋』を立ち上げ・普及していきたいと考えている。
高齢者だけでなく、対象を特定しない生活支援。
今、まちの中でちょっとした困りごとを抱えている世帯は、高齢者だけではありません。
あらゆる家庭環境から、年代・世帯人数にかかわらず、支えを必要としている世帯は多くあります。
『まちのよろず屋』は、もちろん住民でできる範囲でのお手伝いをコンセプトとしていますが、その対象者は独居高齢者や要支援高齢者に特化した活動ではなく、子育て世帯や障害のあるご家族と同居の家庭など、対象を特定しない活動を大事にしたいと考えている。
その実現のために、地縁団体をはじめ、地区ボランティアセンター(無償)との密な連携は必要不可欠であり、また地域包括支援センターや専門機関、社協、行政との連携重要な活動になってくる。
難しいけれども協働・連携すればきっと支え合える仕組みができると信じている。
連携体制
「無償のボランティア活動」✖「有償のボランティア活動」
本事業の実施にあたって、一番こだわたのは、この活動をNPO法人なごみが単独で実施する独自事業にしないこと。
地域の福祉活動の柱となっている「地区ボランティアセンター」は、これからも変わらず地域を支える柱として存在し続けることが重要であり、大切にしたい。
「どこから無償でどこから有償なのか?」「活動で分けるのか?依頼者の状況で判断するのか?」正直協議・検討することがたくさん出てくることを現段階から想定している。
今はこの協議・検討すら起きてこない(ニーズが地域に埋もれてしまっている)現状から、少しずつ変わっていけば、
それはマイナスではなくプラスの変化なのではないだろうか。
今後も、連携と話し合いを大事に、本事業を実施していく。
<連携体制>
・鳴尾東地区社会福祉協議会
・鳴尾東地区コミュニティ協議会
・鳴尾東地区ボランティアセンター(ひがしこだま)
・高須地域包括支援センター
・浜甲子園包括支援センター
・西宮市社会福祉協議会
・西宮市シニアサポートセンター
・子育てコンセルジュ
・つどい場「はまかぜ」
・つどい場「このゆびとまれ」
・まちのね浜甲子園